────Japan Association for East Asian Text Processing(JAET)────

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========== 東洋学研究・教育の電子化と電脳漢字処理の最新情報 ==========

                  ■□     2011.6.1     □■
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この度の大震災により、被害にあわれた方々には、衷心よりお見舞いとお悔や
みを申しあげます。会員諸氏、メールマガジン読者の方々の中にも、大きな被
害が出た方もいらっしゃるのではないかと思います。一刻も早い、平常への回
復をお祈り申し上げます。
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◆◇ JAET-BBS ダ イ ジ ェ ス ト・2011.04.26~05.25◇◆
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    6月に刊行されるとのこと。Unicodeコンソーシアムで長年の活動してきた
    小林氏ゆえに、期待できよう。
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─気まぐれコラム───────────────────────────

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◆◇漢情研を“終える”ために◇◆
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                                                  千田大介@電脳瓦崗寨

■漢情研、いよいよカウントダウン

昨年度の総会で、2015年度を目途に、会費をともなう会員制の廃止を前提とし
て、漢情研のあり方を見直すことが決まった。「会員制の廃止を前提とする」
というのは、要するに現在の研究会組織を解散するということである。

その理由は「漢情研運営会議室」における師代表の報告に詳しいが、幹事の研
究会維持のための負担が固定化・増大化する一方、大多数の会員のBBSでの発
言や活動への参加が低調であるため、現状では研究会組織の維持がコストに見
合わなくなっている、それならば、いっそ研究会組織を解消し、現執行部を中
心に個別のプロジェクトを組んだり、科研費と連動して書籍・雑誌を編集した
りするような方式に移行した方が研究活動に精力を集中できて合理的である、
という判断がはたらいたものと筆者は解釈している。

およそ研究会や学会というものは、設立時にこそ新たな学術的価値の創出を目
指して活発な活動が行われるものの、時が経つにつれて硬直化し陳腐化するも
のである。会の活力を維持するためには、新しい血を入れるなどして新陳代謝
を促さないと行けないのだが、それがなかなか上手くいかない。年長者が自分
の教え子を入会させても、そこには権力関係が持ち込まれてしまうので、年長
者が思いきって身を引かない限り、活力は生まれにくい。また、設立時に新鮮
だった問題意識も、やがて色あせて現実的意義を失っていくことは避けられな
い。少なからぬ研究会や学会がそうしたジレンマに陥り、会そのもの、酷い場
合は会に付随する権威の維持が自己目的化しているのではなかろうか。

そうした惰性だけで続く情況に陥るくらいならば、むしろ積極的にスクラップ
&ビルドした方が建設的であろう。そうした活動に振り分けられたリソースを、
新しい問題意識に基づく生産的な研究に注ぐことができからだ。

■いかに“終える”か

研究会・学会は、始めるよりも終える方が難しいと言われる。惰性で維持され
ているような会はエネルギーを失っていることが多いので、会の解散という新
たな事業に踏み出せないものだ。また、年中行事や伝統祭祀儀礼と同じように、
自分が幕を引く立場になりたくない、という意識も働きがちだ。

漢情研はまだ十年少々の歴史しかない若い会であり、執行部にも創立メンバー
が多く留まっているので、しがらみにとらわれる必要はない。研究活動も、活
発にこなす面々が揃っている。この点、幸いにして(?)、理想的に会を“終
える”ための条件が整っている、とも言えよう。

漢情研の活動が盛り上がらなくなった、その原因の一つは、漢情研コアメンバー
の突進体質にあろう。かつて故・勝村哲也先生から我々は「井戸を掘り続ける
人」と評された。興味を持った問題を絶えずドンドン掘り下げて行き、周囲を
ドンドン置いてきぼりにしてしまう、その態度は学術の発展に貢献していると
確信しているが、しかし漢情研の目的の一つであったはずのスキル・知識の普
及という点では、やはり問題があったことを認めざるを得ない。

すると、漢情研を終えるに当たって、我々が為すべき事も自ずと見えてくる。
深く掘り下げた井戸から、せめて広場まで水道を引く作業をしなくてはならな
いのだ。

漢情研執行部では、二階堂前代表を研究代表者とする科研費研究を申請し、幸
いにして採択された。そのプロジェクトを通じて、漢情研のこれまでの活動を
通じて蓄積されたスキル・知識の普及を図るために4~5冊の書籍を刊行し、ま
た初心者にも使いやすい漢字処理・分析ツールなどの開発を進めていく計画で
ある。

このプロジェクトを通じて有終の美を飾り、理想的な形で漢情研を終えたいも
のである。

【このコラムは不定期掲載です。】

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Last-modified: 2018-10-20 (土) 15:51:08