────Japan Association for East Asian Text Processing(JAET)────

△▼△▼△▼△     漢 字 文 献 情 報 処 理 研 究 会     △▼△▼△▼△
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========== 東洋学研究・教育の電子化と電脳漢字処理の最新情報 ==========

                   ■□     2010.2.4     □■
                   ■□     一五七号    □■

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◆◇ JAET か ら の お 知 ら せ  ◇◆
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┃漢┃字┃文┃献┃情┃報┃処┃理┃研┃究┃第┃10┃号┃★絶賛発売中!★
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┃目次┃
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■□漢情研2009年公開講座  報告□■

●公開討論会  著作権をめぐる新動向  "Googleブック検索"と著作権法改正案

・著作権をめぐる最近の動向  Googleブック検索問題と著作権法改正案
                                                            小島  浩之
・KOTONOHA『現代日本語書き言葉均衡コーパス』における著作権処理
                                                            前川喜久雄
・著作権法改正と国立国会図書館のデジタル化を巡って          大場  利康
・雑考:Googleブック検索とアメリカの出版事情                清水  哲郎
・学術情報のディジタル化  国立国会図書館の新たな役割        石岡  克俊

■□特集1  『漢情研』10年を振り返る  漢字文献情報処理の変遷□■

・『漢情研』10年を振り返って                                山田  崇仁
・電脳漢字処理環境この10年                                  上地  宏一
・図書館・OPAC・漢籍                                        小島  浩之
・人文学情報教育の10年                                      山田  崇仁
・Nグラム特集、その後                                       師    茂樹
・中国語CAI実践レポート                                     田邉    鉄

■□特集2  人文系学生への情報教育とカリキュラム□■

・漢字文献情報処理教育には何が必要か                        山田  崇仁
・人文学情報教育に携わって                                  山田  崇仁
・授業報告:卒業論文作成のための情報検索入門                藤原    敦
・「人文系学生のためのITスキル共通参照枠」の提案            山崎  直樹
・授業実践:コンピュータ中国学─知る・使う・作る─          清原  文代

□■中国語CAI実践レポート  Webを活用した中国語授業プラン□■
・未知の単語との遭遇─辞書では分からない単語へのアプローチ  氷野  善寛
・画像が伝える中国語─文字だけでは伝えきれない中国語を知る  中西  千香
・中国の伝統行事─調べてみよう!中国と日本の行事の相違      三枝  裕美
・「たまご一個いくら?」の中国語                            田邉    鉄
・就活で学ぶ中国語                                          清原  文代
・教室から旅する90分                                        金子  眞也

■論文■
・東京大学総合図書館所蔵鴎外文庫「明代勅命」管見            小島  浩之
・GraphText─紙テープに呪縛されないテキストデータの試み     師    茂樹

▽▲▽▲情報リソース  レビュー▽▲▽▲

・アプリケーションソフト
   Windows7&Office2010 テクニカルプレビュー版 /
   一太郎2009&ATOK2009 / Webブラウザ /  WorldVoice日中英韓
                                     山田崇仁 / 秋山陽一郎 / 金子眞也
・学術リソース
   中国のネットとIT事情              千田大介
・学術ソフト・製品
    USB個人用小型データベース─愛如生拇指数據庫:『方以智著作集』を例
    に
                                     齊藤正高

■□自著紹介■□
   『情報歴史学入門』

┌───────────┐
│   定価:2,000+税    │
├───────────┤
│ISBN:978-4-87220-134-5│
└───────────┘

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■会員向け情報
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○【重要】会費納入のお願い
 会費未納の方は、出来るだけ早くお振り込みください。
 振込口座は http://www.jaet.gr.jp/JAET-BBS/ (会員専用)トップペー
 ジにてご確認ください。また、会員種別変更(一般・BBS)も随時受付中
 です。

※一般会員で本年度会費が未納の方には、『漢字文献情報処理研究』が発送
 されません。早急にお振り込みください。

○一般会員向け『漢字文献情報処理研究』第10号発送について
 一般会員の方への『漢字文献情報処理研究』第10号の発送は完了しており
 ます。まだお手元に届いていない方は下記フォームよりお問い合わせくだ
 さい。

 ご感想・お問い合わせフォーム http://www.jaet.gr.jp/jj/imp.html

○総会の報告
 2009年度総会の報告がアップされています。以下のページでご確認下さい。
 http://www.jaet.gr.jp/JAET-BBS/2009.html (会員専用)

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◆◇ JAET-BBS ダ イ ジ ェ ス ト・2009.12.26〜2010.1.25◇◆
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・漢情研会員はリンクをクリックするとJAET-BBSの当該発言を閲覧できます。
・BBS更新情報はRSSでも配信しています。http://jaet.gr.jp/index.xml

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■電脳情報  <Webサイト・ソフトウエア etc.>
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○【ソフト】InDesignのデータをiPhoneアプリへ変換
  モリサワのオーサリングツールを使えば、InDesignやMC-B2のデータを
 iPhoneアプリへ変換する事が可能。
  http://www.rbbtoday.com/news/20091224/64639.html
  http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=info3&mes=795

○【Google】Google日本語入力の変換アルゴリズム
  Google日本語入力の誤変換例を紹介。
  http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=info3&mes=798

○【ブラウザ】WOFF (Web Open Font Format) 対応のFirefox 3.6リリース
  WOFF (Web Open Font Format) に対応した Firefox 3.6 がリリースされて
  いるとの情報。
  http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=info3&mes=799


─気まぐれコラム───────────────────────────
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◆◇ 百科事典は正しくなければならないのか?  ◇◆
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●百科事典は正しくなければならないのか?
 もちろん、内容が正しいにこしたことはない。しかし、人間は必ず間違いを
犯す存在である以上、間違いは存在する。にもかかわらず、われわれはどうし
て「百科事典」に正確性を求めてしまうのだろうか。
 去る11月22日、東京大学工学部にてウィキメディア・カンファレンス・ジャ
パン2009が開催された。内容は人文系・技術系・運営系などと多岐に亘り、初
回としては成功裏に終わったと思う。
 カンファレンスは報道機関からも取材され、あるTV局では、早速、当日の夕
方のニュースにて放映され、更にウィキペディア日本語版の管理者に直接取材
した内容も、後日放映された。
 しかし、その放映内容は、「管理者はウィキペディア日本語版の項目の内容
をチェックするが、その分野の専門家ではないため、間違いが見過ごされてい
る。従ってその内容を鵜呑みにしてはいけない」という、誤った内容だった
(ウィキペディアの項目の内容は、管理者に限らず、閲覧ユーザー・編集ユー
ザー全員でチェックする)。放映後、管理者一同でがっかりしたことを憶えて
いる。
 当該TV局は、以前からTV局側のシナリオを優先し、現実が異なっていても、
シナリオに沿った形にねじ曲げることで知られる局だが、なぜそのような行為
を行うに至ったのかについて推測すると、「百科事典は正しくなければならな
い」という考え方が背景にあるからではないだろうか。

 ●その背景はかつての百科事典全盛期にある
 「百科事典は正しくなければならない」という考え方が存在する背景には、
かつての「一家に一冊百科事典セット」時代の影響があるのだろう。アメリカ
ではブリタニカ、日本では平凡社の百科事典は、高度経済成長下にあって知的
好奇心に飢えた、教養の高まりによるステータスの向上を望んだ多くの家庭に
瞬く間に普及した。若年時にすり込まれた、「百科事典は正しい」「百科事典
は権威」という考え方により、それまでの百科事典とは異なる、「誰でも編集
可能」「内容は保証していない」というウィキペディアに対して、事実とは異
なる誤った見方・対応を取り続けてしまうのである。
 「『心は草木なり、仏は瓦甓なり』と言われて、『いや仏とは光明あらんず
るものだ』と従来の考えに固執する人は、悟りから遠ざかる」と、曹洞宗の開
祖、道元禅師は言われているが、ものごとをありのままに見てほしいと、ウィ
キペディアのヘヴィ・ユーザーとしては思う。

 ● ウィキペディアは何をしてもいい場所ではない
 さて、ウィキペディア日本語版に対するもう1つの誤解として、時々、「頑
迷で恣意的な運営側が邪魔をする」というニュアンスの文言を、「Wikipedia:
井戸端」やメーリングリスト(WikiJA-l)上で見かけることがある。
 しかし、ウィキペディア日本語版の最終運営主体で、ウィキペディア日本語
版の存するサーバを物理的に管理するウィキメディア財団は、ウィキペディア
の各言語版については、それぞれの編集ユーザーコミュニティに運営を委ねて
おり、直接個々の言語版の運営に関与することは極めて稀である。管理者につ
いてもその権限行使においては、別の管理者や編集ユーザーから絶えずチェッ
クされており、特定の管理者が運営を掌握しているという事実はない。
 にもかかわらず、そのような、存在しない概念が創作される背景には、ウィ
キペディアで何かを行おうとして、他の多くの編集ユーザーから待ったをかけ
られ、最終的に短期間、或いは長期間の投稿制限措置を行われてしまったこと
が予想される。
 そもそも、ウィキペディアは百科事典を作成するプロジェクトであって、自
己PRの無料掲載サイトでも、自説を演説する場所ではない(詳しくは
「Wikipedia:ウィキペディアは何でないか」を参照)。多数のユーザーが共同
で様々な項目を行う、1つのコミュニティであるため、数百に及ぶルールが整
備されていて(詳しくは「Wikipedia:プロジェクト関連文書」を参照)、意外
にも多くの制約が存在する。こんな制約の多いところで行うよりも、自分のサ
イトで行った方が、よほど自由だと思う。

● この種の人物は以前からいた
 この種の「自分が行いたいことを行えないのは、巨悪のせいだ」という人は、
以前から、ウィキペディア外に存在した。人間社会が個人間の相互関係で成り
立っている以上、どうしても一定の制約は必要であり、その制約の中で自己実
現をしていくのが、社会に生きる人間としてのあり方なのだが、それができな
い人が少なからずいるのである。
 社会と折り合いをつけない限り、当該人物の未来は開けないわけだが、ウィ
キペディア側としては、折り合いをつけてから、戻ってきてほしいと思う次第
である。

【編集部注:藤原敦さんは本研究会会員で、『漢字文献情報処理研究』第10号
に「授業報告:卒業論文作成のための情報検索入門」という題で寄稿していた
だいています。今回、Wikipediaの事情に詳しい藤原敦さんに、Wikipediaにま
つわる誤解についてのコラムをお願いしました。メルマガ編集部では、会員・
読者諸氏からの投稿をお待ちしております。】

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Last-modified: 2018-10-20 (土) 15:51:08