――――Japan Association for East Asian Text Processing(JAET)―――― △▼△▼△▼△ 漢 字 文 献 情 報 処 理 研 究 会 △▼△▼△▼△ ▽▲▽▲▽▲▽ メ ー ル マ ガ ジ ン ▽▲▽▲▽▲▽ ―――――――――――― http://www.jaet.gr.jp/ ――――――――――― ========== 東洋学研究・教育の電子化と電脳漢字処理の最新情報 ========== ■□ 2006.12.01 □■ ■□ 第一一八号 □■ ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ・メーラーを等幅フォントに設定してください。 ・バックナンバーの閲覧・検索は、http://jaet.gr.jp/mag/ でどうぞ。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ―[PR]―――――――――――――――――――――――――――――――― ┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┓ ┃漢┃字┃文┃献┃情┃報┃処┃理┃研┃究┃第┃7┃号┃★発売開始!!★ ┗━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┛ ■■□本会機関誌最新号の最新刊が刊行されました!□□□□□□□■■■■ ■■□書店・オンラインにて販売中!□□□□□□□□□□□□□□■■■■ ┌─────────┐ │ 定価:2,000+税 │ │ISBN:4-87220-108-6│ └─────────┘ ・最寄りの中国書籍店・書店にてお求め下さい。 ・書店への入荷が困難な場合は、オンライン通販窓口をご利用下さい。 http://jaet.gr.jp/shop ・バックナンバーは、アマゾンでもお求めいただけます。 ・漢情研会員・CCAI会員は、専用窓口にて会員価格にてお求め頂けます。 掲示板・メーリングリストの関連情報をご参照下さい。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ――――――― ■会員向け情報 ――――――― ○【重要】会費納入のお願い 会費未納の方は、出来るだけ早くお振り込みください。 振込口座は http://www.jaet.gr.jp/JAET-BBS/ (会員専用)トップペー ジにてご確認ください。また、会員種別変更(一般・BBS)も随時受付中 です。 ※一般会員で本年度会費が未納の方には、『漢字文献情報処理研究』が発送 されません。早急にお振り込みください。 ○【重要】会員登録情報変更のお願い 異動や引越しなどにより会員登録情報に変更が生じた会員の方は下記のフ ォーム(会員専用)より事務局までお知らせ願います。 http://www.jaet.gr.jp/JAET-BBS/change.html ○新入会員(2006.10.25〜2006.11.15) 1名の方が新たにJAETに入会されました。 ―――――――――――――――――――― ■□漢字文献情報処理研究会第九回大会□■ ―――――――――――――――――――― ○日時:2005年12月16日(土) 13:30〜18:00 ○会場:ピアザ淡海(滋賀県大津市)・305会議室 http://www.piazza-omi.jp/ ○JAET・CCAI会員入場無料(非会員は参加費500円)・参加自由 ○プログラム 13:30〜15:30 事例報告 ・山田崇仁「Google Earthを利用した唐代地理情報の集積」 ・小島浩之「古貨幣・古札の画像データベースについて」 ・高田智和「文字・表記研究とコーパス」 (休憩20分) 15:50〜17:10 小特集「大規模漢字集合と異体字問題」 ・師茂樹「Unicode 5.0とCJK Extension C」 ・上地宏一「大規模文字集合の異体字構造表現」 (休憩20分) 17:30〜18:00 総会 ※大会後に懇親会を行います(要申し込み。締め切り:12月7日(土))。 詳細は以下のURLをご覧ください。 http://www.jaet.gr.jp/meeting.html#9 ――――――― ■イベント情報 ――――――― ○じんもんこん :-) 2006 人文科学とコンピュータシンポジウム 日程:12月14日(木)〜15日(金) 会場:同志社大学 室町キャンパス (京都市) http://www.cis.doshisha.ac.jp/htsumura/jinmonkon2006/ ○第12回公開シンポジウム「人文科学とデータベース」 日時:12月23日(土) 会場:大阪大学中之島センター http://www.ozlab.osakac.ac.jp/db/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ◆◇ JAET-BBS ダ イ ジ ェ ス ト・2006.10.11〜2006.11.25 ◇◆ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ・漢情研会員はリンクをクリックするとJAET-BBSの当該発言を閲覧できます。 ・BBS更新情報はRSSでも配信しています。http://www.jaet.gr.jp/index.xml ――――――――――――――――――― ■雑談 <電脳・社会・学界をめぐって> ――――――――――――――――――― ○【雑談】未履修問題と情報 昨今世間を賑わせている高等学校の科目未履修問題の対称となった情報科 目についての話題。 昨今感じていた「あれ、この辺り高校の授業でやってないの?」という感 覚のずれが、単に個人的なレベルの問題ではなかったという事か。 http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=ac3&mes=959 ―――――――――――――――――――――― ■電脳情報 <Webサイト・ソフトウエア etc.> ―――――――――――――――――――――― ○【エディタ】MIFES、Unicode対応 MS-DOS時代からの長い歴史を持つ定番エディター、MIFESの最新バージョン についての話題。今バージョン最大の特徴は、Unicode対応である。 UnicodeのBMP領域以外に対応しているかどうかは未確認だが、相変わらず Shift-JISオンリーなソフトが多い環境の中、少しずつでもUnicode対応ソ フトが増えるのは喜ばしい限り。 http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=info3&mes=470 ○『道蔵』試用版 『中国基本古籍庫』で知られる愛如生が開発中の『道蔵』試用版について の話題。操作方法はほとんど『古籍庫』と同じ。テキストの文字に問題が 多い『道蔵』の場合、画像と同時に使える本ソフトは便利との事。 http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=info3&mes=471 ○【ソフト】Mac OS X用Unicode対応エディタ スウェーデン製のMac OS X Tiger用エディタSmultronの紹介。 他のMac OS X用のエディタが、ワープロ的な機能を取り込む傾向が強いの に対し、本ソフトはいわゆる普通の「エディタ」であるところが特徴との こと。Unicodeにも対応し、日本語のメニュー表示にも対応しているのが うれしい。 http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=info3&mes=472 ○Google Earthに16種の古地図を追加 Google Earthに16種の古地図のデータが追加された件についての話題。 但し、利用に際しては、最新バージョンのGoogle Earthを利用し、メニュ ーなどの表示言語を英語に切り替える必要があるとのこと。 http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=info3&mes=473 ―――――――――――――――――――――― ■文字処理情報 <テキスト処理と文字コード> ―――――――――――――――――――――― ○特番:Windows Vistaの新文字セットが引き起こすトラブル 日経BP社のWebサイトで実施されている特集記事についての話題。 おそらく来年度以降、教育現場では「パソコンの文字が違う〜」と言っ た「いつかどこかで見た景色」が再現されるのだろう。 http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=code2&mes=729 ―気まぐれコラム――――――――――――――――――――――――――― 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ◆◇ データベースに時間をどう与えるか? ◇◆ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 山田崇仁@睡人亭 今回のメルマガの担当者は、山田である。師走の忙しい中、すっかり担当である 事を忘れてしまい、発行が今日に遅れてしまった。大変申し訳なく思っている次 第である。 今回のコラムのテーマは「歴史と時間」である。いいわけがましいが、別にメル マガが期日(=時間)に間に合わなかったからこれが思い浮かんだわけではない。 今担当しているプロジェクトの中で、時間に係わる情報が大変重要な問題となっ ているからである。 筆者は、とあるプロジェクトでデータベース作りに取り組んでいる。無論、その 内容は、中国の歴史情報に係わるものである。その中で、普段は扱わないテキス トに頭を悩ませたり、適当に流してしまう情報をコンピュータにきっちり明示す る必要性に頭を抱えたりする毎日である。 その中で特に悩んでいるのが「時間に係わる情報(時間情報)」である。対称が 歴史的材料である以上、個々の項目や状態の変化に対し、「何時起こった」 「いつまで続いた」という「時間情報」を与える必要がある。 一般的には、「中国は歴史の国だから、時間情報はよく残されている」という漠 然としたイメージがあると思うが、それはとんでもない間違いである。 これは研究者には常識の範囲に属している事だが、中国史の研究材料は、その対 象が古くなればなるほど、二次的三次的に編纂されたものが根本史料となる事が 避けられない。従って、編纂時に重要ではないと判断されたもの、または初めか ら欠落している情報についての記述がどうしても曖昧になりがちなのである。 その代表格が「時間情報」である。 例えば、ある事件が起こったとする。有名なものであれば「元号+年+月+日」 の情報が全て与えられているかもしれない。このような情報をコンピュータにデ ータとして入力する場合、当然だが悩む所は非常に少ない。しかし、時間情報の 中にはこのようなデータを全て揃えたものはむしろ少ない。 「元号+年」程度の情報が残されているのは、寧ろ情報の精度としては良質なも のに属する。場合によっては、「元号+中(その元号が施行されている時期の何 れか)」や「某皇帝の在位中」といった一定の期間の情報しか与えられていない ものもある。 また、「元号(王朝・皇帝)+初」「元号(王朝・皇帝)+末」といった、フェ ードイン・フェードアウト的な時間情報の書き方も数多く見られる。 この手の時間情報表記で最も頭を悩ませているのが、「俄(にわかに)」「尋 (しばらくして)」「後(のち)」等の、一種の自然文表記である。書き方から 類推されるに、史料編纂者にはそれぞれの表記に一定の異なる時間の枠が与えて いる事は確かである。しかし、それが二年なのか三年なのか、或いはそれとは異 なるのか…で悩むのである。 これを人間が見る際は、字義通りに受け取って具体的な時間の幅は余り考えない だろう。しかし、コンピュータにデータを入力する際にはそうはいかない。デー タの作り方如何では、「何年間」という時間情報を明示する必要がある。 これらの一定の範囲を含む時間情報には、全ての年次が該当するとして情報を与 えるのも一つのやり方だろう。また、確率的にある年次を中心にその周辺年次の 該当確率を下げて含めるやり方もあるかもしれない。 更には、日本語では当該年次を含む「以前」「以後」も、中国語では当該年次を 含まない場合がある事も注意が必要となる。 何れにせよ、何らかの形で時間情報を与えておかないと、データベースとしては 使い物にならなくなってしまう。従って、如何に妥当性の高い時間情報を与える かが、制作の重要な要素となっているのである。 更に頭を悩ませるのが、これらの表記が意味する時間の幅が、テキスト毎に異な る点である。そのため、データを入力元のテキストに理解がないと入力すらまま ならない状態になってしまい、作業は遅々として進んでいない。 このプロジェクトは、何らかの形で公開する必要があるので、その内読者の皆様 が利用される機会があるはずである。その際にはこのコラムに書かれた筆者の嘆 きを思い出していただければ幸いである。 さて、話は変わるが、こういった情報が錯綜するのは、首都周辺か外部勢力との 緊張関係が持続した辺境部に多い。寧ろ首都から遠く離れた内地の辺境域に関し ては、その関心の希薄さからか情報が少ない。 データを入力する側から見れば非常に楽で良いのだが(笑)、こういった情報の 密度からも、中央政府や後世のテキストの編纂者の、「天下に関する意識」が見 え隠れすると言えるのかもしれない。 【このコラムは不定期掲載です。】 ==Information========================================================= ・このメールマガジンは、講読をお申し込みいただいた方に、無償で送信して おります。 ・このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』 を利用し て発行しています。http://www.mag2.com/ (マガジンID: 0000083458) ◆登録変更・講読停止 ----- http://jaet.gr.jp/mag/ ◆漢情研入会申し込み ----- http://jaet.gr.jp/guiding.html ====================================================================== ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃ 漢字文献情報処理研究会メールマガジン 一一八号 [2006.12.01]┃ ┃ 毎月1日・15日発行 ┃ ┠─────────────────────────────────┨ ┃ 編集・発行:(c)漢字文献情報処理研究会┃ ┃ 本号編集担当:山田崇仁┃ ┠─────────────────────────────────┨ ┃本メールマガジンの内容を、著作権法に定められた範囲を超えて、無断で┃ ┃引用・転載・再利用することを厳禁します。 ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ |