――――Japan Association for East Asian Text Processing(JAET)―――― △▼△▼△▼△ 漢 字 文 献 情 報 処 理 研 究 会 △▼△▼△▼△ ▽▲▽▲▽▲▽ メ ー ル マ ガ ジ ン ▽▲▽▲▽▲▽ ―――――――――――― http://www.jaet.gr.jp/ ――――――――――― ========== 東洋学研究・教育の電子化と電脳漢字処理の最新情報 ========== ■□ 2006.6.15 □■ ■□ 第一〇七号 □■ ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ・メーラーを等幅フォントに設定してください。 ・バックナンバーの閲覧・検索は、http://jaet.gr.jp/mag/ でどうぞ。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ―[PR]―――――――――――――――――――――――――――――――― ┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┓ ┃漢┃字┃文┃献┃情┃報┃処┃理┃研┃究┃第┃6┃号┃★好評発売中!★ ┗━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┛ ■■□本会機関誌の最新号刊行中!□□□□□□□■■■■ ┌─────────┐ │ 定価:2,200+税 │ ├─────────┤ │ISBN:4-87220-098-5│ └─────────┘ ・最寄りの中国書籍店・書店にてお求め下さい。 ・書店への入荷が困難な場合は、オンライン通販窓口をご利用下さい。 http://jaet.gr.jp/shop/ ・漢情研会員・CCAI会員は、専用窓口にて会員価格にてお求め頂けます。掲示 板・メーリングリストの関連情報をご参照下さい。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ◆◇ JAET か ら の お 知 ら せ ◇◆ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ――――――― ■一般向け情報 ――――――― ○2006年夏期公開講座を開催します ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃■国際化時代のデータベースとコンプライアンス■┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 日時:7月22日(土)14:00〜17:00 場所:慶應義塾大学 日吉キャンパス 来往舎中会議室 講師:石岡克俊(慶應義塾大学 産業研究所) ※要申し込み ◆公開講座修了後に懇親会を開催します。 時間:18:00〜 会費:5,000円(学生4,000円) ※詳細・参加申し込み:http://www.jaet.gr.jp/meeting.html#2006k 例年どおり、著作権問題に関する夏期講座を開催します。今年度は、特に著 作権の渉外問題、すなわち海外の著作物をデジタル化したり、海外のデータ ベース製品を利用したりする際に生じうる問題を取りあげる予定です。 また、講座の開催に向けて、著作権関係の質問を募集中です。上記テーマに 関連する問題、あるいはそれ以外の問題をお持ちの方は、下記からお知らせ ください。 会員:JAET-BBSの著作権問題[特設]会議室にて 一般:参加申し込みフォームにて ――――――― ■会員向け情報 ――――――― ○【重要】会費納入のお願い 会費未納の方は、出来るだけ早くお振り込みください。 振込口座は http://www.jaet.gr.jp/JAET-BBS/ (会員専用)トップペー ジにてご確認ください。また、会員種別変更(一般・BBS)も随時受付中 です。 ※一般会員で本年度会費が未納の方には、『漢字文献情報処理研究』が発送 されません。早急にお振り込みください。 ○【重要】会員登録情報変更のお願い 異動や引越しなどにより会員登録情報に変更が生じた会員の方は下記のフ ォーム(会員専用)より事務局までお知らせ願います。 http://www.jaet.gr.jp/JAET-BBS/change.html ――――――― ■イベント情報 ――――――― ○第5届中国古代小説文献与数字化研討会 期日:7月31日(月) 時間:9:00〜18:00(予定。変更の可能性あり) 場所:大東文化大学板橋キャンパス ※使用言語:中国語(通訳無し) ※プログラムは以下の内容を予定(暫定) 1,05年以後的中国古代小説数字化的進展与問題 2,中国古代小説数字化与地理問題 3,中国古代小説数字化与版本問題 ※発表希望者は、大東文化大学文学部中国学科・中川諭 (snaka@ic.daito.ac.jp)まで。6月10日締め切り。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ◆◇ JAET-BBS ダ イ ジ ェ ス ト・2006.4.26〜2006.5.10 ◇◆ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ・漢情研会員はリンクをクリックするとJAET-BBSの当該発言を閲覧できます。 ・BBS更新情報はRSSでも配信しています。http://www.jaet.gr.jp/index.xml ―――――――――――――――――――――― ■電脳情報 <Webサイト・ソフトウエア etc.> ―――――――――――――――――――――― ○【ネット規制】中国から日本のPOP接続カット? 中国国内から日本のPOPサーバへのアクセスがブロックされるようになっ たとの情報。実際に試してみたところ、確かに接続がおかしい。 http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=info3&mes=377 ○ 【アイテム】BookDrive DIY: 本を痛めずに 1,000 page/h 取り込めるスキャ ナ BookDrive DIY という、書籍専用のスキャナ。本を自動でめくりながらス キャンしてくれるものだが、価格が40〜65万円程度と、買えない価格では ない。 http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=info3&mes=378 ○広州日報電子版 中国広州日報の電子版がリニューアル。新聞版面の画像が常に表示される システム。RSSにも対応。 http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=info3&mes=387 ―気まぐれコラム――――――――――――――――――――――――――― 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ◆◇ 中国のネットスラング ◇◆ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 千田大介@電脳瓦崗寨 ■ネットはスラングを作りだす 近頃のネットは、スラングに満ちている。昔、NIFTYなどのパソコン通信時代 には、スラングの数はさほどでは無かったと記憶しているが、インターネット が主流になり、2ちゃんねる系BBSが覇を唱えるようになってから、加速度的に スラングの数が増えている気がする。 そして、インターネット自体に突入してネットスラングが花盛りなのは、中国 も同じである。 ■中国ネット語トップ20 先日、中国の教育部などが『中国言語生活レポート』を発表したが、それによ るとインターネット上で使用頻度上位のネット語は以下の通りだった。以下に 引用しよう(日本語は筆者超超訳)。 1【頂】 ワロス 2【555】 (T∇T) ウウウ 3【ding】 ワロス 4【mm/MM】 ギャル 5【LZ】 >>1 6【DD/dd】 弟者 7【88】 (; _ ;)/~~バイバイ 8【偶】 漏れ 9【馬甲】 いD 10【ID】 ID 11【斑主】 スレ主 12【恩】 ( ̄△ ̄;)エッ・・? 13【汗或寒】 ヘ_ _)ヘ ハハー 14【暈】 ( ̄Д ̄;) ガーン 15【ps/PS】 フォトショ 16【灌水】 カキコ(する) 17【ddd】 テラワロス 18【bs/BS】 逝ってよし 19【楼猪】 スレ主 20【滴】 的 ■中国ネットスラングの傾向 上に引いた一覧を見ると目立つのが、アルファベットによる略表記である。な ぜアルファベット語が流行るかは、それは勿論、中国語入力が面倒だからであ ろう。 上のうち、【ddd】は【頂】の頭文字を三つ重ねた強調+略表記。ネット上の 褒め言葉は、【強】系から【頂】系に流行が移ったようだ。【mm/MM】は【美 眉】(=妹妹)、の頭文字。【PLMM】だと“漂亮美眉”で、かわいこちゃん (って凄く古っ)。【DD】=弟弟。【LZ】=【楼猪】=【楼主】。【bs/BS】 =【鄙視】。罵り言葉としては【TMD】もよく使われる。いずれも、本来の漢 字表記よりも、アルファベット表記の方が使用頻度が高くなっている。罵り言 葉では【TM〜】【TMD】(他〓的)もよく使われる(伏せ字にしときます)。 数字表記では【555】(嗚嗚嗚)【88】(拝拝)が入っているが、このほかに も【7456】(気殺我了:ムカツク)・【9494】(就是就是:そうそう)【809】 (保齢球:ボーリング)など、種類は非常に多い。日本でもポケベル時代に数 字語が流行ったことがあるが、携帯・インターネット時代には廃れてしまった。 この点は日中で大きく異なっている。 これらのスラングの中には、台湾系の語彙も多い。例えば、【美眉】【灌水】、 また【醤紫】(=這様子:へえ)【酷索】(クソ)などの語は、台湾から大陸 に進出した語彙である。大陸の中国語は、ここ十年余りで台湾国語系語彙にす さまじい勢いで浸食されてきた。それは主として海賊版ドラマ・映画に負うと ころが多いと思われるが、ネットもその一翼を担っているのだろう。 月刊『ASCII』によれば、台湾では【orz】が大学入試にまで出題されたそうだ が、大陸ではまだ流行っていないようだ。台中のタイムラグを考えると、そろ そろ流行り始めるかもしれない。 ■相似と相違 ネット文化というのは、場所が違っても同様の現象が発生するケースもあるよ うだ。2chでは新スレの2番に「2ゲット」と書き込む輩が多いが、中国でも同 じく2番には【沙発】(ソファー=So Fast)と書き込まれる。 日本の2ch語には、【厨房】【乙】のように、誤変換や同音・近音の語や当て 字への言い換えに起源するスラングが多いが、この点は中国にも共通している。 上の例で言えば、【偶】(我)・【楼猪】(楼主)などがそれだ。そういえば、 しばらく前には【斑竹】(版主or板主:ボードマスター)という語が多かった が、近頃は【楼猪】の使用頻度が高くなっている。ボード>スレッド、板>楼、 という概念の区別が定着したということか。このあたりは、BBSというシステ ムの制約から似てきてしまうのだろう。ほかにも、【稀飯】(=喜歓:好き) 【果醤】(=過獎:私なんてまだまだです)【粉】(=很:とても) などが ある。 これはスラングではないが、BBSカキコの日中の大きな差異に、アスキーアー トの使用がある。2ch、あるいはNIFTY時代から、日本ではAAが花盛りであった が、中国でのAAの使用はごく一部にとどまる。これは、AAなんて面倒なことを せずに直接画像を貼り付けてしまう、著作権意識・取り締まりの弱さとも関連 しているのであろう。あるいは、日本はパソコン通信の従量課金時代からバー チャルコミュニティが発達していたために、重いデータを嫌う習慣が定着した のかも知れない。 また、顔文字についても、日本の【(^-^)】のような全角顔文字に対して、中 国ではアメリカの【:-)】系の半角顔文字が主流である。これはむしろ、日本 のネット文化が世界的に特異な発展を遂げているのであろう。 一方、褒め言葉には微妙な差異がある。日本の場合、カキコへの賛美は【ワロ ス】、ちょっと前なら【禿同】【〜が良いことを言った】などの例があるが、 いずれも、やや韜晦していて直接的ではない。この点、中国の方が【強】【頂】 など、ストレートに表現される。 ■ゴールデンシールドとネットスラング 上の統計には出て来るはずもないが、中国のネットスラングには、インターネッ トの自動検閲対策として生み出されるモノもある。中国のインターネット監視 システム、金盾工程(ゴールデンシールド)、海外で言うところのグレートファ イヤーウオールは、2004年頃から“敏感詞”(NGワード)の自動フィルタリン グ規制をかけている。WebページやBBS、更にはメールや携帯ショートメッセー ジにNGワードが書かれていると、自動削除されたり、フィルタリングに引っか かって表示できなくなったりするのだ。 この敏感詞、指定がかなり恣意的である。2004年には、深センの最高幹部の娘 が、親の七光りで自作自演映画を制作、地元の児童生徒が大量動員され全国公 開、更には書いた小説は某文学賞にノミネートと、まさにやりたい放題で全国 の顰蹙を買いネット上で叩かれまくったが、さすがは高級幹部、その娘のニッ クネームをNGワード指定して言論封殺を図った。すると、ネットワーカー達は 彼女のニックネームを【女丑女丑】にバラして対策、逆に彼女が【KL】(=恐 竜:ブス)であることを如実に写した言葉であると人気を博する、なんて事件 まで起きている。昨年の反日デモの際も、当局の態度が当初の黙認もしくは推 奨から弾圧に転ずるや、デモの中国語“遊行”や“抗日”がNGワード指定され、 ネットワーカーは【YX】や【抗/日】に言い換えて対抗していたものだ。 お遊び・手抜きから言論弾圧回避まで、中国のネットスラングはなかなかどう して、一筋縄ではいかないのである。 ■おわりに 近頃、中国ではライトノベルが隆盛だが、それらの文にはネットスラングが多 用されている、日本の感覚ではほとんど2ch語で書かれているものも見受けら れる。そうでなくても、メディア規制が厳しい中、それでもまだ自由な意見交 換が多少はできるBBSは、中国の研究者にとっても欠かせないバーチャルコミュ ニティになっており、学術デジタルデバイドを避けるために、研究者のネット に対する熱意は日本とは大きく異なっている。あるいは、早晩、ネットスラン グを知らなければ中国学が研究できない時代がやってくるのかも知れないw。 それでは、886! 【このコラムは不定期掲載です。】 ==Information========================================================= ・このメールマガジンは、講読をお申し込みいただいた方に、無償で送信して おります。 ・このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』 を利用し て発行しています。http://www.mag2.com/ (マガジンID: 0000083458) ◆登録変更・講読停止 ----- http://jaet.gr.jp/mag/ ◆漢情研入会申し込み ----- http://jaet.gr.jp/guiding.html ====================================================================== ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃ 漢字文献情報処理研究会メールマガジン 一〇七号 [2006.6.15]┃ ┃ 毎月1日・15日発行 ┃ ┠─────────────────────────────────┨ ┃ 編集・発行:(c)漢字文献情報処理研究会┃ ┃ 本号編集担当:千田大介┃ ┠─────────────────────────────────┨ ┃本メールマガジンの内容を、著作権法に定められた範囲を超えて、無断で┃ ┃引用・転載・再利用することを厳禁します。 ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ |