――――Japan Association for East Asian Text Processing(JAET)――――

△▼△▼△▼△     漢 字 文 献 情 報 処 理 研 究 会     △▼△▼△▼△
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========== 東洋学研究・教育の電子化と電脳漢字処理の最新情報 ==========

                       ■□   2006.5.15    □■
                       ■□   第一〇五号   □■

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◆◇ JAET か ら の お 知 ら せ  ◇◆
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■一般向け情報
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○RSS配信を正式に開始しました。
    JAET-BBS活性化の一環として、JAET-BBSのRSSフィード配信サービスを開
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■会員向け情報
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○【重要】会費納入のお願い
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    ォーム(会員専用)より事務局までお知らせ願います。
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○『漢情研』7号編集始動
    今秋の発行に向けて編集作業が始まっています。執筆ご希望の方は奮って
    ご応募ください。

    ・論文投稿:エントリー締め切り5月31日
        詳細:http://www.jaet.gr.jp/JAET-BBS/an/00777.html

    ・特集記事執筆者募集中:応募締め切り5月31日
        詳細:http://www.jaet.gr.jp/JAET-BBS/an/00778.html

○新入会員(2006.4.26〜2006.5.10)
    1名の方が新たにJAETに入会されました。
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■イベント情報
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○国際セミナー TEI Day in Kyoto 2006

    時間:2006年5月17日(水)
    場所:京都大学 百周年時計台記念館 国際交流ホール
    使用言語:日本語・英語
    参加費用:無償
    問い合わせ先:
    〒606-8265 京都市左京区北白川東小倉町47
                京都大学人文科学研究所
                TEL:075-753-6997
    メール: tei-day (at) zinbun.kyoto-u.ac.jp
    詳細:http://coe21.zinbun.kyoto-u.ac.jp/tei-day/tei-day2006.html

○大谷学会春季公開講演会
    日時:2006年5月25日(木)午後1時より
    会場:大谷大学講堂
    講演:荒牧典俊「仏像の出現をめぐって」
          阿辻哲次「現代日本の漢字規格」

○第5届中国古代小説文献与数字化研討会
    期日:7月31日(月)
    時間:9:00〜18:00(予定。変更の可能性あり)
    場所:大東文化大学板橋キャンパス

    ※使用言語:中国語(通訳無し)
    ※プログラムは以下の内容を予定(暫定)
      1,05年以後的中国古代小説数字化的進展与問題
      2,中国古代小説数字化与地理問題
      3,中国古代小説数字化与版本問題
    ※発表希望者は、大東文化大学文学部中国学科・中川諭
      (snaka@ic.daito.ac.jp)まで。6月10日締め切り。

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◆◇ JAET-BBS ダ イ ジ ェ ス ト・2006.4.26〜2006.5.10 ◇◆
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・漢情研会員はリンクをクリックするとJAET-BBSの当該発言を閲覧できます。

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■雑談  <電脳・社会・学界をめぐって>
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○【雑談】「キラーアプリは宗教」って何で
    教会関連技術市場が盛り上がりを見せているとのニュース。最新技術に敏
    感なのは、昔からの宗教の伝統?
    http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=ac3&mes=900

―気まぐれコラム―――――――――――――――――――――――――――
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◆◇ リアル派・バーチャル派 ◇◆
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                                                  千田大介@電脳瓦崗寨

■増えない会員・売れない本

漢情研会員人数の伸びは、ここ一二年すっかり落ち着いている。設立から一二
年は、毎月のように二桁の新入会員があったものだが、近頃の情況はメルマガ
バックナンバーをご覧いただければ瞭然だろう。しかも、若手の大学院生から
残念ながら興味を持たれていないようだ。こちらとしても人文情報処理に関す
るアピールや研究が不足している点など、反省すべき点はあろう。しかし、ど
うも人文学業界が情報化プレッシャーに慣れてきて、自分がやらなくても大丈
夫、あるいは道具としてワープロ・メール・インターネットが使えているから
それでいい、という人が増えてきているようにも思える。

どうも筆者が色々と可能性を見出しておもしろがっているモノは、世に受け入
れられないようだ。私事で恐縮だが、昨年翻訳・出版した『Chinese Culture
Review』Vol.1・2も、驚くほど売れていない(好文出版さん、スミマセン)。
中国の学術界が引きこもり的反グローバリズムな新左派に席巻されている中で
希有な、リベラリズム的立場から書かれた中国の思想・社会・文化解剖であり、
中国の学術・社会・ニュースなどの読み方が一新される目からウロコの本だ、
と思っていたのだが、どうもこの業界、そういう情報へのニーズが非常に限ら
れているようだ。

■現実への興味

昨年の反日デモにともない、中国学を学ぼうという学生は減少したようである
が、第二外国語に限って言えば、特に社会科学系の学部への影響は限定的なも
のに留まったばかりか、筆者の勤務先では中国そのものへの興味をかきたれら
れ、中国社会関連講義の受講者が増加する例も見受けられた。その意味では、
社会的興味は高まっているはずなのに、しかし、この事件に対する中国学(人
文学)者の発言は寥々たるものであった。翻れば1989年の六四の時にも、人文
学者の発言はほとんど無かった。

こういう現状を前にすると、日本の中国学が「中国無き中国学」と揶揄される
のもむべなからんかな、と思えてしまう。日本における中国学とは、伝統的に
日本学の一部という位置づけがあったものの、改革開放を経て中国が開かれ、
経済的結びつきも強まった現代においては、まず第一に外国学であろう。それ
なのに対象たる国で発生した現実の事件を前にして、“集団失語症”に陥って
しまう。世界的にも国内的にも人文学への風当たりが強くなる中で、その学問
的存在価値を問う恰好のネタにされかねない情況ではないか。

中国学、といっても筆者の知見は限られるので中国文学領域に限定するが、日
本は文献を対象とした純粋ガクモン・純粋ブンガクというのものへの指向が強
すぎるのではないか。もちろん、文献的研究を純粋に深化させることは必要で
ある。しかし、文学という人の営為は、現実を知らずにその裏が読めるもので
はない。筆者が専門とする通俗文学研究のように、社会性などの方向に開かな
ければそもそも成り立たない分野は特殊であるにせよ、漢文唐詩であれ中国の
解釈者の説がリアルな社会的背景から生まれているのであるし、現代文学も本
を読み中国の作家や研究者と話してくるだけでは鵜呑みの紹介にしかならない。
中国社会の現実や文人の思考様式は現代日本のそれと全く異なるのであるから。

勿論、そのような現実とは関わりなく、文献世界に閉じこもって綿密かつ膨大
な調査・検討を通して一家を成した先哲も数多い。しかし、そのようなバーチャ
ルを突き抜けてリアルに達したとでも言うべき研究者は、ほんの一握りだけな
のではないか。現実の事件を前にした失語症の現実を見るにつけ、リアルな中
国を指向する研究者が少ない上に、バーチャルを突き抜け得たた者もほとんど
居ないのではないかと思われ、暗澹たる気分になる。

■バーチャルによるリアル

インターネットは、バーチャルな世界であるとよく言われる。しかしそれは、
インターネットの世界がバーチャルであるということであり、そこを流れる情
報がバーチャルである、という意味ではない。情報は、いずれもリアルな立脚
点があって流されるものであるから、リアルを知る重要な手段になる。そして、
そのようなリアルな情報を収集するには人文情報的な知識や技術が必要になる
し、情報を分析するための視座も必要になる。

その意味で、会員が増えず本が売れないのは、同じ原因に根ざしている、つま
り中国学におけるバーチャル派の隆盛とリアル派の欠乏のあらわれなのではな
いだろうか。誤解無きように書いておくが、筆者も文献研究はやっているし、
その価値を否定しているわけではない。ただ、バーチャルな文献研究ばかりに
閉じこもりリアルを見つめない、そのバランスの悪さを危惧しているのだ。

この点は、前号のコラムで師茂樹代表が書いておられた問題ともつながるので
あろう。象牙の塔に閉じこもってバーチャルな文献研究をしているだけの中国
学がそろそろ限界に達しつつある現在、外国学としての中国学という基本をふ
まえて専門部研究と中国の現実とを接続させる視点が、個々の中国学者には必
要なのではなかろうか。

もっとも、このようなボヤキを書き募るばかりの筆者も、やはり象牙の塔に甘
えているに過ぎないのであろうが。

【このコラムは不定期掲載です。】

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Last-modified: 2018-10-20 (土) 15:51:08