――――Japan Association for East Asian Text Processing(JAET)―――― △▼△▼△▼△ 漢 字 文 献 情 報 処 理 研 究 会 △▼△▼△▼△ ▽▲▽▲▽▲▽ メ ー ル マ ガ ジ ン ▽▲▽▲▽▲▽ ―――――――――――― http://www.jaet.gr.jp/ ――――――――――― ========== 東洋学研究・教育の電子化と電脳漢字処理の最新情報 ========== ■□ 2005.8.1 □■ ■□ 第八十六号 □■ ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ・メーラーを等幅フォントに設定してください。 ・バックナンバーの閲覧・検索は、http://jaet.gr.jp/mag/ でどうぞ。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ◆◇ JAET か ら の お 知 ら せ ◇◆ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ――――――― ■会員向け情報 ――――――― ○【重要】会費納入のお願い 会費未納の方は、出来るだけ早くお振り込みください。 振込口座は http://www.jaet.gr.jp/JAET-BBS/(会員専用)トップページ にてご確認ください。また、会員種別変更(一般・BBS)も随時受付中で す。 〇【重要】会員登録情報変更のお願い 異動や引越しなどにより会員登録情報に変更が生じた会員の方は下記のフ ォームより事務局までお知らせ願います。 http://www.jaet.gr.jp/JAET-BBS/change.html(会員専用) ====================================================================== 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ◆◇ JAET-BBS ダ イ ジ ェ ス ト・2005.7.11〜2005.7.25 ◇◆ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ・漢情研会員はリンクをクリックするとJAET-BBSの当該発言を閲覧できます。 ――――――――――――――――――― ■雑談 <電脳・社会・学界をめぐって> ――――――――――――――――――― ○国会図書館デジタルアーカイブポータル 「国のデジタル情報全体へのナビゲーションができる総合的なポータルサ イト」を目指している。まだ検証中だが、関連技術文書も多く、期待でき る。 http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=ac3&mes=760 ○東京はお台場の『未来館』ってお粗末 「情報科学技術と社会」を見てみたら、あいかわらずの誤解だらけのTRON 礼讃展示。いかにも子供だましだが、いいのだろうか? http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=ac3&mes=761 ○ 【雑談】まだやってんの?SCOとLinux Linuxの著作権を巡るバトル、あいかわらず続行中の模様。一方、IBMは OS/2のサポートを打ち切り。 http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=ac3&mes=763 ○文字・活字文化振興法 今ひとつ目的がはっきりしない同法が衆議院を通過したが、裏で某新聞社 が糸を引いて、再販制度や版面権について盛り込もうと画策していたとの 情報。 http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=ac3&mes=764 ―――――――――――――――――――――― ■電脳情報 <Webサイト・ソフトウエア etc.> ―――――――――――――――――――――― 〇【ソフト】Adobe Creative Suite 2のフォント このほど発売されたAdobe Creative Suite 2、多言語関係では、GB18030 およびAdobe-CNS1-4対応OpenTypeフォントの添付に注目。 http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=info3&mes=202 ○唐代史研究会シンポジウム 同研究会がシンポジウム「歴史学と情報処理」を8月下旬に山形で開催す る(参加申し込みは既に終了)。 http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=info3&mes=203 〇【OS】次のWindowsはVista マイクロソフトが次期Windowsの正式名称を公表。日本語文字コード規格 の変更などが注目される。 http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=info3&mes=206 ○【岩波新書】人名用漢字の戦後史 今月の新刊。著者は、大修館書店で「新・漢語林」や「しにか」の編集を 手がけた円満字二郎氏。 http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=info3&mes=207 ―気まぐれコラム――――――――――――――――――――――――――― 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ◆◇ デジタルデバイドと人文学情報化 ◇◆ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 千田大介@電脳瓦崗寨 http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/ ■中国の研究者の電脳対応 『四庫全書』電子版・『基本古籍庫』・CNKI……、中国の人文学情報化の成果 には目を見張るものがある。それには、人文情報化を熱心に推進する中国政府 の後押しが大きく作用しているのは確かである。さまざまな情報化プロジェク トを推し進めるとともに、大学教員の昇格に電脳の試験を課すなど、制度的に も人文学情報化を推進している。 しかし、それだけだろうか?昨年度一年間、北京に滞在した折に、何人かの研 究者に会ったが、みな日常的にメールやネットを使いこなしていた。特に、ネッ トニュースを習慣的に見ている人が非常に多い、という印象を受けた。 実はこのあたりに、彼我の差があるのではなかろうか。 ■中国のデジタルデバイド 中国でネットニュースがよく読まれるのは、メディア制度の問題と密接に関わっ ている。よく知られるように、中国のメディアはでは報道の自由が確立されて おらず、メディアは共産党に奉仕するものと位置づけられている。SARS問題で、 社会的ニーズにこたえる報道という新たな方針が打ち出されたものの、メディ アの過熱が政府批判の傾向を帯びてきたため、再び情報統制が強化されてきて いる。 そんな中、ますます存在感を強めているのが、ネットニュースである。中国で は、各地域の都市新聞が報道をリードしている。そして、地域のカラーを反映 して、重要な社会的事件の告発などは江南地域や広東の新聞が全国に先駆ける 傾向が強い。それらの新聞も、ほとんどがWebサイトを持ちニュースを発信し ており、それらを収集して一つにまとめているのが中国語ニュースサイトであ る。このため、サイナネット(http://www.sina.com/)をはじめとする中国語 ニュースサイトは、その地域で購入できる新聞よりも情報が速く、網羅的になっ ている。 また、ニュースサイトや週刊誌に出る情報は、新聞よりも先鋭的なものが多い。 2004年、最も注目を集めた経済学者は、ハイアール・グリーンクールなどの大 企業の国有資産私有化などの不正問題を告発した香港中文大の郎咸平教授であ るが、人民日報などの中国国内の主要新聞では、彼の発言はほとんど報じられ ていない。しかし、中国語ニュースサイトでは彼の発言の詳細や、香港におけ るカリスマぶりも容易に知ることができる。 また、昨年のアジアカップにおける一部観客の暴走問題についても、正式な新 聞報道はほとんどなされなかったとはいえ、インテリ層は何が発生したのかほ ぼ正確に把握していた。ネットから恒常的に情報収集しているからである。 このように、中国においてはネットを使いこなせるか否かによって得られる情 報の質・量が相当に左右される、つまり、既存メディアの力が強い日本などに 比べて遥かに深刻なデジタルデバイド問題が存在している。従って、研究者た るモノ、Webを閲覧して情報を収集することは当然である、ということになる のだろう。 ■人文情報化の動機 日本の学生の学習意欲が足りず、CALLなどの遠隔教育システムの普及が進まな いのは、高卒と大卒以上との生涯賃金の差が少ないのが大きな要因であると指 摘されている。 実はこれは研究者についても同様であると思われる。研究者の収入はデジタル スキルの有無と全く関係ない。それどころか、なまじ電脳が使えると、仕事が できると目がつけられて、さまざまな委員会やプロジェクト要員に組み込まれ て仕事が増える、つまり、給与の時間単価は減少する。日本の大学においては、 電脳が使いこなせる研究者は不幸である。つまり逆デジタルデバイド問題が存 在する。 日中の人文学情報化への熱意の差異は、研究者にとってのデジタルデバイド問 題とパラレルなのではなかろうか。中国ではデジタルデバイド問題がより深刻 であるがゆえに、研究者の情報化意識が高くなる傾向があるが、日本ではそれ が生まれにくい、というわけだ。 このような状況が改善されない限り、人文学情報化における日本の立ち後れは、 今後ますます鮮明になっていき、ひいては人文学の退潮にますます拍車をかけ てしまうのではなかろうか。杞憂であればいいのだが……。 【このコラムは不定期掲載です。】 ==Information========================================================= ・このメールマガジンは、講読をお申し込みいただいた方に、無償で送信して おります。 ・このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』 を利用し て発行しています。http://www.mag2.com/ (マガジンID: 0000083458) ◆登録変更・講読停止 ----- http://jaet.gr.jp/mag/ ◆漢情研入会申し込み ----- http://jaet.gr.jp/guiding.html ====================================================================== ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃ 漢字文献情報処理研究会メールマガジン 八十六号 [2005.8.1]┃ ┃ 毎月1日・15日発行┃ ┠─────────────────────────────────┨ ┃ 編集・発行:(c)漢字文献情報処理研究会┃ ┃ 本号編集担当:千田 大介┃ ┠─────────────────────────────────┨ ┃本メールマガジンの内容を、著作権法に定められた範囲を超えて、無断で┃ ┃引用・転載・再利用することを厳禁します。 ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ |