――――Japan Association for East Asian Text Processing(JAET)――――

△▼△▼△▼△     漢 字 文 献 情 報 処 理 研 究 会     △▼△▼△▼△
▽▲▽▲▽▲▽           メ ー ル マ ガ ジ ン           ▽▲▽▲▽▲▽

―――――――――――― http://www.jaet.gr.jp/ ―――――――――――

========== 東洋学研究・教育の電子化と電脳漢字処理の最新情報 ==========

                         ■□    2004.12.15  □■
                         ■□    第七十一号  □■

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
・メーラーを等幅フォントに設定してください。
・バックナンバーの閲覧・検索は、http://jaet.gr.jp/mag/ でどうぞ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――
■会員向け情報
―――――――
○【重要】会費納入のお願い
    2004年度会費が未納の方は、出来るだけ早くお振り込みください。
    振込口座は http://www.jaet.gr.jp/JAET-BBS/(会員専用)トップページ
    にてご確認ください。また、会員種別変更(一般・BBS)も随時受付中で
    す。

〇【重要】会員登録情報変更のお願い
  本年度には会員名簿を発行いたします。このため異動や引越しなどによっ
  て会員登録情報に変更が生じた会員の方は下記のフォームより事務局まで
  お知らせ願います。
  http://www.jaet.gr.jp/JAET-BBS/change.html(会員専用)

〇『漢字文献情報処理研究』第5号の一般会員への送付について
  11月末日までに一般会員となられた会員の方には、好文出版社より会誌を
  発送しています。もし、会員種別変更を申請されているにもかかわらず、
  雑誌が届いていないなど、発送に伴う不具合がありましたら、至急事務局
  までご連絡ください。事務局への連絡先はBBSトップページ
  http://www.jaet.gr.jp/JAET-BBS/(会員専用)にあります。

〇2004年度総会および大会は終了いたしました
  総会の資料はhttp://www.jaet.gr.jp/JAET-BBS/2004.html(会員専用)に、
  大会の概要は本メールマガジンの"きまぐれコラム"をご覧ください。

======================================================================

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◇ JAET-BBS ダ イ ジ ェ ス ト・2004.11.26〜2004.12.10 ◇◆
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
・漢情研会員はリンクをクリックするとJAET-BBSの当該発言を閲覧できます。

―――――――――――――――――――
■雑談 <電脳・社会・学界をめぐって>
―――――――――――――――――――
○【雑談】BOSE SoundDock
    iPodでより良いオーディオライフを楽しむ製品!?
    http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=ac3&mes=609

○【雑談】三國志のたたき売り
    一世を風靡した光栄の三國志が今や1,980円で買えるサイトがあるとの情報
  からスタートして、話題は光栄が中国の会社を訴えたというころまで。。。
    http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=ac3&mes=610

○【雑談】聯想+IBM=??
    PC業界を席巻した聯想とIBMの合併問題。さあどうなる??
    http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=ac3&mes=621

――――――――――――――――――――――
■電脳情報  <Webサイト・ソフトウエア etc.>
――――――――――――――――――――――
〇【ソフト】検索結果を視覚化するGrokker
    Googleなどの検索結果や自分のフォルダ内の構成を新書マップのように視
  覚化するソフトがあるとの情報。
    http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=info3&mes=40

〇【サイト】走馬樓三國呉簡.嘉禾吏民田家[艸/別]資料庫
    香港中文大図書館・同大中国語言及文学系張光裕教授・同大歴史学系黎明〓
  教授の共同製作で標記データベースが公開されているが、使い勝手のほどは
  如何?
    http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=info3&mes=42

〇【サイト】文化先鋒網
    中国の民間・独立系非営利BBS。中国の現在の政治的・文化的な懸案を知りた
  い方は、覗いてみると面白いかも。
    http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=info3&mes=43

〇【ソフト】  一太郎とATOKの新バージョンが発表
    一太郎2005、ATOK2005が来春2月発売されるとのこと。一太郎本体はようやく
  UTF-16対応に。
    http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=info3&mes=48

〇【サイト】北京記憶
    北京首都図書館が提供する、北京の歴史・文化に関する総合サイト。北京の
  歴史と文化に関する図書がPDFで大量に提供されている。
    http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=info3&mes=53

―気まぐれコラム―――――――――――――――――――――――――――

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◇ 「漢籍の情報化−これからの出版文化−」 ◇◆
     漢情研第七回大会から
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
                              小島浩之

漢字文献情報処理研究会第七回大会は、2004年12月4日土曜日に文部科学省科
学研究費特定領域「東アジア出版文化の研究」
(http://eapub.cneas.tohoku.ac.jp/)G班とのジョイントセミナーとして、
関西大学尚文館1階マルチメディアAV大教室にて開催された。当日は季節は
ずれの台風の余波で、前線の活動が活発化したため途中からやや激しい雨に見
舞われたが、60名近くの参加者を得ることができた。主催者側の一員としてま
ずは参加された方に御礼申し上げる。

このセミナーでは「漢籍の情報化−これからの出版文化−」という題目を掲げ
山田崇仁(独立行政法人日本学術振興会特別研究員PD)、秋山陽一郎(京都大
学人文科学研究所COE技術補佐員)、野村英登(東洋大学講師)の各氏による
研究発表と、パネルディスカッション(司会:二階堂善弘(関西大学助教授)
パネラー: 相田満(国文学研究資料館助手)、石岡克俊(慶応大学産業研究
所助教授)、守岡知彦(京都大学人文科学研究所付属漢字情報研究センター助
手)、師茂樹(花園大学専任講師)【敬称略】)が行われた。

前半の発表では、まず山田氏(「漢籍コーパスの歩みと現状」)が、これまで
の漢籍大規模データベースの歩みを振り返りつつ、現在も有益であるデータベ
ースの紹介と、その問題点の指摘をした。続く秋山氏(「漢籍テキスト処理の
現状と展望」)は自然言語処理分野の研究技術を、どのように応用できるか、
ということで、テキストマイニング、形態素解析、N-gramなどの話題を初心者
にも解りやすく解説した。野村氏(「漢籍と電子出版」)の発表は、電子出版
についての総論的なもので、出版史上における電子出版の意義と問題点を論じ
た。電子出版というものを体系化する上で参考になるものであった。実際に電
子書籍を持参するほどの熱の入れようで参加者にも好評を博していた。
今回のセミナーの案内文には「漢籍の情報化の現状を明らかにすると同時に、
『何ができるのか、これからどうすべきなのか』を広く討論したい」とあった
が、三氏の発表はまさに「漢籍の情報化の現状を明らかにする」という部分に
主眼が置かれたもののように感じた。山田氏の利用する側の視点からの話題、
秋山氏の技術的な話題、野村氏の理論的な話題という構成は、この分野の現状
と課題について広くカバーしており、大変良かったのではないかと思う。

後半のパネルディスカッションは、司会の二階堂氏が苦笑しておられたように、
パネラーに中国学プロパーが入っていないという、前代未聞というか斬新な構
成であった。それぞれの専門を列挙すれば相田(国文学)、石岡(知的財産権)
、守岡(電気・情報)、師(仏教学)【敬称略】で、中国学どころか出版史
(学)や書誌学などの本の専門家もいないことになる。(本ということでは相
田氏が最も近いのかもしれないが、、、)
一方でこのように関連分野のスペシャリストが一堂に会することは、非常に有
意義なことで、中国史や書誌学を専門とする筆者などは大いに参考になった。
異なる専門分野からの示唆や意見は、内側から視るより核心をつくことも多く、
今回のディスカッションは聞く者にとって良い刺激になったのではないだろう
か。

簡単に司会およびパネリストの報告をまとめると次のようになる。
最初に二階堂氏(「青典閲読器による『封神演義』データ処理」)による電子
テキスト作成の試みとして「青典閲読器」というソフトの紹介があった。これ
は簡単にいえば市販の『四部叢刊』と同形式のデータベースを作成できるもの
だという。
相田氏(「日本との関わり オントロジから見た漢籍処理の問題」)は、日本
の電子図書館や研究所等で公開されているデータの中の、漢籍を題材とし、画
像自体やメタデータの内容まで多岐に渡って問題提起をおこなった。氏の報告
における「日本もそれなりにあるのだ」という一言にはハッとさせられた。
石岡氏(「“創作性”は何処に? 東洋古典研究とデジタル化の周辺」)から
は、特に校訂権と呼ばれるものをどう考えるべきかについて、創造性という著
作権の大原則と学術研究の成果とは何かということと絡めた報告があった。是
非、論考として公にし、広く議論の波を起こして欲しい内容である。
守岡氏(「門前の小僧から見た漢籍s/の/と/情報化」)からは、京都大学人文
科学研究所の東洋学文献類目、21世紀COE、CHISE Projectといった各種の活動
内容とその現状について報告があった。理系学者から見た人文研究への率直な
感想が随所に伺われる楽しい(失礼)報告であった。
最後に本会の代表でもある師氏(「大規模データベースの使い方」)から、デ
ータベースを単なる工具書として利用するだけでなく、データベースを使用し
てしかできない研究をとの問題提起がなされた。

このように非常に濃い内容のセミナーにも関わらず、時間が大変少なく質問や
討論の時間が十分に確保できず大変残念であった。パネリストの方も参加者の
方も消化不良気味であったのではないだろうか。主催者側としてこの点は深く
お詫びしたい。
ただ、今回の一連の報告や討論が、今後の漢籍や出版文化の研究、またデータ
ベースを利用した研究方法に一つの視座を与えたことは間違いないと思われる。

==Information=========================================================
・このメールマガジンは、講読をお申し込みいただいた方に、無償で送信して
     おります。
・このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』 を利用し
    て発行しています。http://www.mag2.com/ (マガジンID: 0000083458)

◆登録変更・講読停止 ----- http://jaet.gr.jp/mag/
◆漢情研入会申し込み ----- http://jaet.gr.jp/guiding.html
======================================================================

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃   漢字文献情報処理研究会メールマガジン     第七十一号[2004.12.15]┃
┃                                            毎月1日・15日発行     ┃
┠─────────────────────────────────┨
┃                             編集・発行:(c)漢字文献情報処理研究会┃
┃                                            本号編集担当:小島浩之┃
┠─────────────────────────────────┨
┃本メールマガジンの内容を、著作権法に定められた範囲を超えて、無断で┃
┃引用・転載・再利用することを厳禁します。                          ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

Last-modified: 2018-10-20 (土) 15:51:08