――――Japan Association for East Asian Text Processing(JAET)―――― △▼△▼△▼△ 漢 字 文 献 情 報 処 理 研 究 会 △▼△▼△▼△ ▽▲▽▲▽▲▽ メ ー ル マ ガ ジ ン ▽▲▽▲▽▲▽ ―――――――――――― http://www.jaet.gr.jp/ ――――――――――― ========== 東洋学研究・教育の電子化と電脳漢字処理の最新情報 ========== ■□ 2004.4.1 □■ ■□ 第五十四号 □■ ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ・メーラーを等幅フォントに設定してください。 ・バックナンバーの閲覧・検索は、http://jaet.gr.jp/mag/ でどうぞ。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ◆◇ JAET か ら の お 知 ら せ ◇◆ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ――――――― ■読者の皆様へ ――――――― 本日午前中に発行した号は、すでにお気づきのことかと思いますが、エイプリ ルフール版です。内容は一切根拠のないジョークですので、本気にしないよう お願いします。 ――――――― ■会員向け情報 ――――――― ○2004年3月20日に花園大学で開催された「漢情研2004春期講演会」は無事終了 しました。ご来場くださった会員のみなさま、ありがとうございました。 ○新入会員(2004.3.11〜2004.3.25) 4名の方が新たにJAETに入会されました。 ====================================================================== 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ◆◇ JAET-BBS ダ イ ジ ェ ス ト・2004.3.11〜2004.3.25 ◇◆ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ・漢情研会員はリンクをクリックするとJAET-BBSの当該発言を閲覧できます。 ――――――――――――――――――― ■雑談 <電脳・社会・学界をめぐって> ――――――――――――――――――― ◯旧字も網羅した文字システム開発 TRONで使用できる多くの漢字を他OSでも使用できるシステムを開発したと の報道が。但し、相変わらず他のOSで漢字が約2万字しか使えないと思って いることなど、問題も多い。 http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=ac3&mes=396 ◯【雑談】DOS/Vマガジンの記事 「DOS/Vマガジン」で、テキストサービスで中国語IMEを追加する方法を解 説している。 http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=ac3&mes=405 ◯【雑談】MS対応言語を拡大 マイクロソフトがマイナーな言語にも対応すると発表。オープンソースに 対抗か。 http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=ac3&mes=415 ◯?錦と?司(また「濵錦と燁司」) 自己紹介に端を発した議論。相撲において名前が表記できない力士がいる が、UTF-8ページを使って表記するとどうなるか。 http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=ac3&mes=428 ◯ARGに千田さんのコラムが ARGに本メルマガ第50号掲載の千田大介氏のコラムが転載される。併せて横 浜中華街の話題も。 http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=ac3&mes=430 ◯中国人の頭で整理する? 中国語のシソーラスのようなものはないか。 http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=ac3&mes=443 ―――――――――――――――――――――― ■電脳情報 <Webサイト・ソフトウエア etc.> ―――――――――――――――――――――― ○【ソフト】MS Office XP SP3 マイクロソフトのOffice XP用のサービスパック3が提供される。 http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=info2&mes=787 ○【Office2003】Office Document Imaging MSのOffice Document Imagingに多言語OCR機能があるが、これはProofing Toolsを入れると有効になるようだ。 http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=info2&mes=789 ○【雑誌】「情報処理」3月号 特集は「大規模分散ネットワーク環境における教育用計算機システム」。 http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=info2&mes=792 ○中国語IMEの入力方法のシェアって? 「アスキー」最新号に中国語IMEの紹介ページがあるが、中国におけるIME のシェアはどうなっているのか。 http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=info2&mes=796 ○中国版Google? Googleに対抗しようとしている中国の検索エンジンについて。 http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=info2&mes=798 ―――――――――――――――――――――― ■文字処理情報 <テキスト処理と文字コード> ―――――――――――――――――――――― ◯【文字コード】Windows独自のUTF-16? Windows XPのUnicodeのAPIだと読めるらしい謎のUTF-16に困った。 http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=code2&mes=589 ―気まぐれコラム――――――――――――――――――――――――――― 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ◆◇難しい「評価」◇◆ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 二階堂よしひろ ■できるのか評価? 私事ですが、このたび国立大学から私立大学に移ることになりました。それに 伴ってサイトも一時閉鎖しておりますが、いずれ移転先で再開する予定です。 その国立大学ですが、この4月から法人化が行われ、評価委員会によって実績 が評価されることになります。 しかし、ホントに評価できるのでしょうか? 自分などは、これまでの日本に おける「評価」の状況から甚だ危ぶんでおります。 ビジネスの世界においては、単純な成果主義による評価は、現在むしろ見直さ れる傾向にあります。ビジネスの場合、「利益」という絶対的に近い尺度があ ります。それにも関わらず、「キチンと評価」することはやはり難しいような のです。 もちろん、それは様々な要因によるものでしょう。しかしやはり、「評価する 側」の問題も、かなり大きいのではないでしょうか。 またまた自分個人のことで恐縮ですが、自分はかつて一般の会社で事務員やプ ログラマを経験してきました。そのときはヒラのサラリーマンであったわけで すから、当然課長さんやら、部長さんやらの下で働いてきたわけです。 世の中は広いですから、いろいろな課長さんや部長さんがいるのは承知してい ますが、あえて言わせてもらえば、どの会社でも、「上司というのは客観的な 評価はムリ」と感じることがほとんどでした。 おおざっぱな傾向としては、多くの上司という人種は、ほとんど恣意的にしか 部下を評価できません。偏見に基づいていますが、サラリーマンの映画やドラ マで、「上司に気に入られる」というのが大きな比重を占めたりするのは、こ の点を反映しているのではないでしょうか。 いきおい、実際の実績と上司の評価はすれ違うことになります。ビジネス社会 において現在、評価に対して不満が多いというのは、「上司の側がキチンと評 価できていない」ことが大きいのではないかと思っております。 ■伯楽ありて 「世に伯楽ありて、しかる後に千里の馬あり」 よく漢文の授業の題材として取りあげられる文章があります。伯楽というのは 馬を見わけることのできる名人です。 この文章では、「千里を走ることのできる名馬は必ずいる。しかしその名馬で あることを見わける伯楽はいつもいるわけではない。そのため、本来は名馬と されるはずだった馬も、見る目のない環境の中では、不当な扱いを受けて死ぬ ことになるのだ」と指摘します。 かくのごとく、人材については昔から「判断する側」の方が大変なわけです。 千里を走る馬よりも、それを見抜く人材の方が少ないのですから。 ビジネス社会においてはさておき、学術研究の世界となると、さらに「評価」 は面倒です。特に現代においては、学問分野が細分化して、それぞれの分野に その専門家がいるわけです。その専門家は、ほとんど自分の分野を1ミリでも はずれたら、判定ができなくなるほどとなってます。 また、その肝心な専門家とやらも、往々にしてしょっちゅう間違いを犯します。 日本の考古学界で起きた旧石器捏造事件については、まだ記憶に新しいと思い ます。あれはまさに専門家集団の中で起きたことです。 となると、いきおい「目に見える形」でしか判断することになります。それも 現場に近い人たちならともかく、畑違いの業績を判定するとなれば、やれ「論 文の数」とか、「学会の賞」とか、とにかく表面的なものに頼らざるをえませ ん。 「学会賞」も結構問題で、残念ながら多くの学会では、典型的なお手盛り評価 に堕してしまっていることが多いです。それどころか、「今年は関東だから来 年は関西」とか、「何々先生の弟子だから」とか、よく分からない理由で決め られたりもします。 それから、大学や機構でよくやる「自己評価・点検」とやらも止めた方がいい でしょう。全員が虚偽の評価をでっち上げると考えるわけではありませんが、 自分で評価するとすれば、容易に達成できる低い目標を掲げて、「達成できた」 と称するのがオチです。ましてや、その自己評価を元にした「反故」を判断の 材料にするのは、言語道断です。 結局これは、他人を雇って調べさせるのではなく、自分に申告させた方が安あ がりだという予算上の制約によるものなのでしょう。しかしこれではまるで、 供述書だけに頼って、証拠のいらない裁判みたいなものです。 その結果、学術研究の現場では、誰も読まないし誰も参考にしないという「評 価報告書」という名前のジャンクペーパーが、とにかく積み重ねられていくこ とになります。 ■必要だけど かといって、学問の世界に評価が不要だとは思いません。それどころか、最も 厳しく評価が求められる所であると思っています。 ただ、国立大法人評価委員会などに象徴される、いわゆる現在の「評価」は、 とにかく形だけを取り繕うことになって終わりそうな予感があります。それは、 彼らが「評価」というものを安易に考えているからです。 「評価」はそれほど簡単なものではありません。ましてや「走りながら考える」 べきものでもありません。多くの予算と優秀な人材を投入して、ようやくマト モに近いものができるでしょう。しかしそこで予算をケチっていたり、単に肩 書きだけのエライ先生を集めるのでは、ほとんどアリバイ工作にもなりえない でしょう。 実際に「評価」を機能させるには、「伯楽」にふさわしい研究者を選び、その 人たちにある程度独断専行で評価させた方がよいのです。 残念ながら、学術研究の世界では、往々にして「多数決」や「合議制」はむし ろマトモな評価を阻害する要因ですので、多少理不尽に見えるくらいがちょう どよかったりします。 なお、その評価する研究者については、ご老体やエライ人はなるべく避けねば なりません。「学会のドン」などと呼ばれる人に限って、マトモな評価はでき ません。ダメ社長に社員の評価をやらせるようなものです。そうではなく、も っと現場に近い中堅の研究者にやらせるべきでしょう。 とはいえ、そんな方法を取り入れる所は無いでしょうが・・・。 とにかく「評価」を安易に考えず、「伯楽の難しさ」について、もう一度問い 直す必要があると思います。 ==Information========================================================= ・このメールマガジンは、講読をお申し込みいただいた方に、無償で送信して おります。 ・このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』 を利用し て発行しています。http://www.mag2.com/ (マガジンID: 0000083458) ◆登録変更・講読停止 ----- http://jaet.gr.jp/mag/ ◆漢情研入会申し込み ----- http://jaet.gr.jp/guiding.html ====================================================================== ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃ 漢字文献情報処理研究会メールマガジン 第五十四号[2004.4.1] ┃ ┃ 毎月1日・15日発行 ┃ ┠─────────────────────────────────┨ ┃ 編集・発行:(c)漢字文献情報処理研究会┃ ┃ 本号編集担当:二階堂善弘┃ ┠─────────────────────────────────┨ ┃本メールマガジンの内容を、著作権法に定められた範囲を超えて、無断で┃ ┃引用・転載・再利用することを厳禁します。 ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ |