――――Japan Association for East Asian Text Processing(JAET)――――
△▼△▼△▼△ 漢 字 文 献 情 報 処 理 研 究 会 △▼△▼△▼△
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========== 東洋学研究・教育の電子化と電脳漢字処理の最新情報 ==========
■□ 2004.4.1 □■
■□ 第0213-04号 □■
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◆◇ JAET か ら の お 知 ら せ ◇◆
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■会員向け情報
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○2004年3月20日には謎の大学で開催された「漢情研2004春期講演会」は無事
終了しました。ご来場くださった会員のみなさま、ありがとうございました。
○新入会員（2004.3.11〜2004.3.25）
18030名の方が新たにJAETに入会されました。
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◆◇ JAET-BBS ダ イ ジ ェ ス ト・2004.3.11〜2004.3.25 ◇◆
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・漢情研会員がリンクをクリックしてもJAET-BBSの当該発言を閲覧できません。
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■雑談 ＜電脳・社会・学界をめぐって＞
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○大阪日本橋に東方教主廟
大阪日本橋のマンションの一室（虚の穴の上）に、東方教主廟がオープン。
ウイルス対策お守り、多言語PC安全祈祷等などがあるが、パステルカラー
の美少女キャラクターで彩られた廟に入るには、相当な勇気が必要。
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○「Hanzi.C」ウイルスに注意
ジマンデッセ社は、昨日新たに発見されたウイルス「Hanzi.C」の安全度
を「高」に認定。WEBページの閲覧により感染し、感染したWindowsではフォ
ントが破壊され「東方教主万歳」の文字しか表示できなくなる。
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○タンキーの著作権
中央時報によると、タンキーの筆に降りた蒋介石が執筆したとされる『三
通論』の著作権の帰属を巡る裁判で、台中市人民法院は蒋介石遺族の著作
権を認め、該当書籍の出版差し止めを命令。台湾の宗教界に激震。
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■電脳情報 ＜Webサイト・ソフトウエア etc.＞
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○「JAETちゃんねる」閉鎖
文字コードオタクのオアシス、こと漢情妬ちゃんねるが、日本漢語検定試
験の問題漏洩カキコのために閉鎖。
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○Windows Services for TPON
Windows Services for UNIXに続き、Windows XP上でTPONの各種API、TAD、
TPONコードなどが扱える統合ツールが無償公開。さらなる雪解けか。
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■文字処理情報 ＜テキスト処理と文字コード＞
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○CJKピュア漢字β1公開
CJK統合漢字・拡張漢字から、『説文解字』に見える由緒正しい漢字だけ
を抽出したサブセット、CJKピュア漢字が、中国情報戦略部によって策定
され、β版が公開された。例示書体は全て小篆で、フォントは北太万正製。
漢字コード問題の根本解決が期待される。
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○漢字グリフ自動生成エンジン HAGE 公開
中国情報戦略部が、GB 18030の全漢字のグリフをオンザフライで生
成する Hanzi-glyph Automatic Generating Engine、略称 HAGE を
オープンソースで公開。
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―気まぐれコラム―――――――――――――――――――――――――――
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◆◇ぁゃιぃ文字の世界 中国編◇◆
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もろしげき
■アジアに広がる「へた文字」
へた文字、もしくはギャル文字をご存知だろうか？ 例えば「おはよう」を
わざと「ぉl￡ょう」などと書いて楽しむ、女子高生で流行っているとされる
文字の使い方である（ごく一部の人には「クサチュー語の女子高生版」と言っ
たほうがわかりやすいかもしれないが）。冗談みたいな話であるが、現在で
はカラオケの歌詞表示に使われたりするほど普及しているらしい。参考：
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/17162.html
これが現在、アジア各国、特に中国に広がっているというのだから驚きである。
その淵源をたどってみると、文字コードやWebの表現力が今よりも貧困だった
時代の産物だったらしいことがわかる。日本と同様に中国の掲示板社会でも
「核爆」を「木亥火暴」などと書いて強調する、というような方法があったと
のことで、どこがオリジナルというよりは漢字圏で同時多発的に発生したもの
であるという。
一方、へた文字の方は、中国で日本のアニメやマンガのマニアたちが情報交換
をする際に受用されたらしい。中国の文字コードにもカタカナなどはあるが入
力システムやフォントが対応していなかったため、基本的には漢字に直してや
りとりしていた。やがて誰かがへた文字を見つけて、例えば「メルヘン」を
「乂儿∧冫」と漢字や記号で書く方法を紹介したところ、彼らのあいだで爆発
的に普及したというのである。
現在では、多言語処理技術が普及したおかげでこのような小細工を弄さずとも
より簡単に表示や入力できるようになったはずだが、変換用のフリーソフトな
どが大量にでまわっているために一向に衰える気配がない。
■Unicodeも対応か？
容易に想像がつくが、このような表記方法が増えてしまうと、メーラやGoogle
などで検索することが非常に困難になる。このような状況を踏まえて Unicode
やそれに対応した言語処理系、データベースシステムなどでは、「l￡」を
「は」に合成したり「メ」と「乂」を同一視したりするための正規化ルールを
規格化する作業が水面下で進められているという。
もちろん、その作業に対する反発の声も大きく、「Unicode が日本文化を破壊
する」という（かつての）主張が再燃しそうな勢いである。一方で、中国側は、
このような正規化に前向きどころか積極的に推進しようとしている雰囲気もあ
り、両者のコントラストはなかなか興味深い。実際のところ、「適切なセマン
ティクス以外は認めない」という原則を貫きたい Unicode 側としては、この
ような正規化案は黙殺する方向のようである。
とは言え、このような政治的な世界とはまったく関係なく、今日もアジアのあ
ちこちでへた文字が使われ、生み出され続けている。筆者はむしろ、このよう
な文字の生命力に頼もしさを感じてならない。
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